RCA RP2410


4月9日2001年
 MP3 CDタイプのプレーヤが出るまでは、私もメモリプレーヤを使っていたが、THOMSONと共同開発のRCAが出していたLYRAを愛用していた。Compact Flaseの使い勝手と音の良さから気に入っていたのである。そんなRCAから、MP3CDタイプを出すと発表されていたときは非常に嬉しかった。でも発表されたときはPhilipsのEXP103と同じ時期でだいぶ発表から時間がたってしまって、ちょっと遅きに逸したかなという気がしないでもないがどんなもんであるか?RIO VOLTのSpec比較をしてもちゃっと見劣りしてしまっていいるが。。。。。実のところどんな具合なんであろうか?

 こんな感じのパッケージで来る。RIO VOLTと同じようなプラスチックの圧着パッケージである。これは開けにくくて非常に嫌なパッケージなんだよね。まあ、何が入っているか一目でわかるのであるが。。。。付属品は下記のようである。ヘッドホン、ACアダプタ(8V,600mA)、マニュアルとソフトウェアである。まあ、マニュアルはRIO VOLTのようなQuickリファレンスではなく、普通の良くかかれたものであった。ソフトは、MusicMatch5.5とサンプル曲が10曲程度入っている質素なものだった。RCAならオンラインマニュアルやマネージャなんか用意してくるかなと思っていたのでちょっと肩透かしを食らったかなという感じである.。ヘットフォンはネックタイプの一見使えそうな感じのヘッドフォンだった。

大きさ
 AA電池4本といういまどきのマシンとしては、ちょっと多目の電池を内蔵するので、でかいのかなと思ったけどさほど、SoulやRIO VOLTと比較しても、そんなに変らなかった。デザインから長めに見えるけど、Soulとそんなに変らないのである。厚みの巧みな実装で、RIO VOLTより若干大きいくらいである。ただ、電池を4本入れるとちょっとずしりという重さはある。

使い勝手
 さて、概観と使い勝手であるが、LCDが英文字表示のみであるが、なんと6行も表示できるのである。これは、前から知っていたことであるが、実際に見てもちょっと感激である。配置は概ね良好であるが、曲の選択にサイドにあるVolumeと組合わして使うのはちょっと好きではなさそう。SWは、MODE(リピート、シャッフルの制御)、DSP、FWD、PLAY/PAUSE、RWD、STOP、PAGEキーなどが配置されている。PAGEキーは、RIO VOLTの+10と似たような機能であるが、LCDの桁と連動しているので、その使い勝手が格段にいい感じである。

側面は、ヘッドフォン端子と、DCイン、音量のSWがある。音量は、アナログ式ではなく、SWによって段階的に変っていく。ちょっと大雑把なという感じがする。もう少し低音量で細かく設定できると嬉しい。また、MP3の曲の選曲で、VOLUMEとFWDとRWDを使って選択する。なんで、FWD、RWD使わなかったのかなと思ったけど、これらのキーはディレクトリ渡りで、VOLUMEは、ディレクトリ内の選曲であり、大きなLCDとあいまって、結構気に入ってしまった。


再生能力
 発表が早かったため、再生性能はちょっと良くない。64k〜256Kbbpsまでであるがどうだろうか?Soul/RIO VOLTで使ったデータを流用して試した見た。下記に使ったデータとサイズを示す。もちろん今回も曲のデータには谷山浩子のカントリーガールを使っている。

 右側を見れば、ビットレートとなんでエンコードしたか分るであろう。こいつは、残念ながら、320Kbpsでは音とびが発生してしまった。けど、2分ほど正常に若干と飛びするといういままでにない飛び方だった。バッファ管理がちょっと変だからというわけではないのかな?ちょっとがんばれば何とかなりそうな気がするのだけど?128K〜256kbpsまでは問題も無く再生してくれた。VBRはなぜか128-320kbpsまでふったものだけど問題なく再生した。もちろん、M3EもLV4,LV5でも経過時間、音とびの問題もなかった。サンプリング周波数の22KHzはうまく再生できたが、32KHzの場合は早送り、48KHzの時は音程が下がったような音になり、正常な再生は行なわれていなかった。いまどきのマシンとしてはちょっと物足りないか?もちろん、WMAのサポートはない。なお、VBRで作られたデータを再生したときVBRと出るのは初めてみた。


CDの認識
 RP2410はマルチセッション焼きこみに対応している。最近の機器は対応が増えたのであまりめずらしくなくなってきているが、RIO VOLT,Philips,PINEに続いての対応である。これはあってくれれば嬉しい機能である。Packetライトのサポートは無い。 私の作っているデータはDR5は追記焼きしている。DR5のディレィトリが認識できればマルチセッション対応である。

DR5が見えているのが分るであろう。 マルチセッションOKである。さらに99分(800MB)CD-Rの認識についてもテストしてみた。総曲数は214曲であるが、元気に最後まで再生した。結構軽快に動いていてためしに、シャッフルを選択したけど、さすがにたまに認識できないことがあったので、シーケンシャルにそろりそろりやらないとだめのようだ。Memorexの650MBのCD-RWでの確認も良好でメカ回りは良くできているようだ。

操作性
 操作性であるが、思ったより考えられているデザインだった。LCDの表示桁の多さを巧みに利用したデザインで使ってみて唸ってしまった。最初はディレクトリを多く作っていなかったので、なんでVolumeキーをディレクトリ内の曲選択に使うんだと思っていたが、FWD、RWDキーはディレクトリ間の移動のための機能を持たせたのである。きちっとディクトリ分けがされているなら、こっちの方が使いやすい。CDを丸ごと複数枚セーブして聞きたい場合には、そんなに曲選択は使わないからね。
 
 SWの配置の適切で押しやすい、機能も結構考えられている。RIO VOLTに+10というキーがあるが、こいつのPageキーが似たような機能を持つが、こっちの方がLCDと連動しているので分りやすい。Play/Pauseは電源を兼ねているし、STOPキーもその機能のほかに電源OFFを兼ねているが、HOLD SWがあるので、ワンクリックで動作するので動作は軽快に思える。FWD,RWDもワンクリックで1曲スキップであり、押しつづければ秒単位の移動なので、頭だしは軽快である。
 Fileの表示ならびにディレクトリの移動も良くできている。左の場合には、VolumeキーとPageキーによって移動を行なう。Pageキーによって大きな移動を行なったのが右の絵である。ディクトリが表示されている。RWDでそのディレクトリに入り、FWDで1つ上にもどる。また、その間の曲の移動は、前と同じようにVolumeキーとPageキーによって行なわれる。なかなか使い勝手がいいと思う。LCDの表示機能とのマッチが良くできていると思う。

 イコライザーは、DBBS(デジタル バス ブースト システム)とサラウンドのON/OFFのみである。何も味付けしないFLATと他に下記のような機能がある。PlayしないときにDSPのキーを押すと下記のメニューが出る。
DBBS
SURR
DBBS+SURR
FLAT
である。PLAY中は下にように一部のLCDに現在設定されている機能表示がでる。このDBBSの機能がかなり好きである。下品な低音増強ではなく、音の明瞭度が増すような感じで、いつもどちらの機能もONにして私は聞いている。

 MODEは、Fileをどのような順序で演奏していくか選択するもので、下の方に機能表示がある。普段は無表示で、最初の1曲から終わりまで順番に演奏していく。ループ状の表示が出たら、Disc全体の繰り返しで、ループにホルダーマークがでれば、カレントディレクトリ内の繰り返しであり、”1”とループマークの場合には1曲繰り返しである。また、サイコロをイメージした絵のときは、シャッフル機能であり、Disc全体とディレクトリ内の2つをサポートしている。シャッフルはFWD、RWDと連動しているので、気に入らなかった飛ばせるのでまあ、機能的に他とは殆ど同じである。

あと、RCAはPLAY LISTという、Program選曲機能を持っている。私は、ちまちましたプログラム選曲は嫌いなので、試してはいない。

表示機能
 LCDはキャラクタベースではなく、LYRA同様に携帯プレーヤとしては大きなドットLCDを使用している。PowerONするとおなじみのマークが表示される。なお、こいつにバックライトはない。

MP3Discを入れた場合には最初に緒言がでる。ディレクトリとFile数が何個あるのかわかる。ディレクトリ数がわかるのはちょっとありがたいかもしれない。

これが一般的な演奏中の表示。上段がID3のTiltle名、2段目がID3のアーチスト名、3段目がFile名、4段目が演奏時間に、EQの設定、次がビットレート、その下が音量と電池の残量が表示される。結構表示は豊富である。表示しきれなかったらその分だけ横スクロールして表示する。でも全部入りきらないと全体でスクロールするので、このときはちょっと参ってしまった。


音質
 付属のヘッドフォンではなく、KOSSのProtaProを使ったときの感想であることを最初に言っておく。RIO VOLTは明るめというか高音を強調した感じの音で、これはこれでEQのROCKと組み合わせたときに結構好みの音ではあるのだけど。もうチャットおとなしめになるといいなと個人的に思っていた。これに対してRP2410は明瞭度重視というか音のつやがいい。カントリーガールなんかは、演奏に木琴が含まれているのだけどその音を聞いたときにぞくっとしてしまった。Devutのアコースティックバージョンなども結構いい感じで再生してくれる。電子楽器系では、RIO VOLTとそんなに差はないのだけど、アコースティック系に強いなあというのが印象。EQはRIOとくらべるとそんなに設定はなのだけど、その設定が絶妙な気がする。やはり、LYRA譲りということかな。普段聞くならRP2410の方が私の好みに近い。RIO VOLTももう少しEQの設定の自由度が分るとありがたいのであるが、当分はRP2410を音が私の好みなのでこれがメインプレーヤに移りそう。だた、無信号時にかなり大きく”サー”という音が入るのでちょっと面くってしまう。曲が鳴ってしまうと気が付かないのであるが。。。

 CDDAの再生の絶妙。やっぱり家電メーカ製かなという気がしてしまった。ESPをONにしてもノイズが載るわけでもなく、音とびも結構強いのでAUDIO CDを聞くのもいいかも知れない。なお、MP3のときは常にESPはONになっているようである。下はAudioトラックを再生したときの様子。

もちろん、AudioでもEQも聞くし、シャッフル機能も有効である。

電池
 1600mAのNiMHをFull充電してみて再生してみたけど、MP3を再生したときに5時間くらいもった。AA電池4本ということで期待したけど結構大食いなプレーヤでありそう。

裏面に充電池を使用したとき設定SWと、HOLD SWがある。こいつはRIO VOLTと違って本体で充電可能である。大メーカとして充電対応にしてきたのは珍しいかな。まあ、電池を入れ替えないので良いのでありがたいといればありがたいが。裏を見て分けるようにTHOMSONとの共同開発であることがわかる。


総評
 性能でいうとRIO VOLTの方が圧倒してしまっているのであるが、使い勝手と音の好みで私は、RP2410を気に入ってしまった。確かにPacketライトに対応していないし、WMAもつかえない、320KBPSのMP3が再生できないのであるが、自分としてはそこまでの性能を要求していなし、使っていない。個人的にはWMAに対応してくれるといいなと思うが、そんなデータは個人的な興味でエンコードしたデータしかないので不便はない。まあ、マルチセッションに対応しているし、大きなLCDを使った使い勝手と、結構いい感じで鳴ってくれる音で当分こいつがお供になりそうである。

まあ、買い方はRCAは最初$249なんてあったから、ちょっと手がでないなあと思っていたが、Targetで$149.99だった。またRCAはラジオジャックにも強いので、この2店には置いてあるだろう。

以上