E.R.A.社によるROVERへのERA TURBO開発提案について


09月13日2010年
 時間が経って申し訳なかったです。MINI freakへ寄稿したERA Turboの開発提案の原案とその翻訳文を公開する。今回は、勤続20周年のステップアップ休暇がもらえるだけど、自由研究のレポートが必要なんだよねえ。テーマとしては良い物であるので、今回利用させてもらった。Mfに送ったときはざっくりしか訳していなかったので、そのまま公開するのはちょっとねえと思う点もあったので、今回見直した。E.R.A.社からRoverへ開発提案をした資料である。かなりしっかりしたバインダーに入っていて、我々とは気合いが違うよなあと思った。今なんか、PDFを先方に送って、PPTで説明して終わりだしねえ。NDA結ばなければ、資料なんて先方に渡さないし、時代は変わったと思ったねえ。

 結構感動なのは、最後のシート。我々の次のアクションは????って所、まあ、我々がERA TURBOを持っていることからRoverは決断してくれたけど、なかなか面白い提案の中から車作りが行われているのだなあと思ったねえ。

 下は、OHPの原稿だ。だぷん、これを使ってRoverに対して説明したんだろうなあ。画面をクリックすれば、全文が読める。

 下は、OHPの原稿からの詳細説明書。こちらは、細かく検討してあるので、翻訳しておいた。クリックすれば内容が読めるようになっている。

やっぱり、興味はエンジンだ。最初の試作エンジンは、Powerを出したみたいだねえ。最初に目標を決めておくのは大切だ。
i) 最高の速度   176Km/h
ii) 0-96kmまで8秒以下
iii)中間から高速間のよい加速/サードギア加速
iv) 良いドライバビリティ
そのための変更としてこのエンジン/トランスミッションには以下が施されたようだ。
i) 加速ポンプ付き45mmのデロルト水平2連チョークキャブレター。
ii) ターボは12PSI(0.83 bar)までの圧力を上げる。
iii) インタークーラー。
iv) 圧縮比は、特別に軽量な鍛造されたピストンを使用して、7:1まで下げられた。
v) MG1300の吸気バルブをつかったシリンダヘッドに変更された。
vi) カムシャフトを変更した。
vii) ドロップギアへの積極的な潤滑。
viii) 特別なヘッドギャスケット。
ix) ギアボックスへの小さな変更。
このエンジンは6000RPM時に115馬力でトルクは4500RPM時に15.9kgmを生み出した。(Appendix iを参考。ただし単位系については注意1KW=1.34HP).この車が達成した性能はおもしろいものだった。0-96kmの到達時間は、5.97秒で193.6kmの最高速度だ。 しかしながら、この組み合わせは、明確に安全性や信頼性で一般的な使用に適していなかった。 低圧縮比でハイブーストだったので、下の方が使いづらいエンジンだっただろなあと想像できるねえ。デトミニの初期のことは慣れていないと使いづらかったけど一般向けの味付けにはなっていなかったと予想できるねえ。

 K/Nのフィルターがあそこに入れてあるのが気になるねえ。現在むふふな検討をしているけど、もっと大がかりなことを考えているからねえ。まあ、エアコンを諦めればなんても出来るってことだろうけど、ヘタレな私はエアコンを外すことは考えられないからねえ。

 試作エンジンは、ピーキー過ぎるのでMetroのエンジンをそのまま利用しようと思ったけど、狙ったPowerが出ないようだねえ。ブーストコントローラーのEUCを入れてこの問題を解決したそうだ。あのEUCをわざわざ入れているのは意味があると言うことだねえ。トルクカーブかなり改善しているので意味があるということなんだ。。。、。若干一名、EUCは外しているお馬鹿さんを知っているけど、反省するように。

 単純にエンジンパワーを上げているだけでなく、足回りやブレーキもちゃんと強化している。あの時代でも、シミュレーションして最適な足回りを検討したとあるけどイギリスはやっぱり凄いなあと思う点はあるよねえ。家のERAは足回りは調整出来るようにしてあるけど、狂っているとトルクステアを感じることがあるよねえ。ラフに踏むときに左に一瞬だけど引っ張られる感覚って感じないかな?

 ERA TURBOのイメージカラーは実は、黒だったそうだ。。。。でも、黒MINIって90年代にはあまり見なかったけど、何で出してくれなかっただろうなあ?赤黒屋根って言うのも有りなんだねえ。イギリスでは、4色だったのでちょっとうらやましいと思う点だったねえ。

 5速とインタクーラーについては議論が合ったみたいだねえ。5速は実現して欲しいなあと思ったけど。。。特に本文に話がなかったので伺い知れないけど。残念な点だ。インタクーラーはサーボとのトレードオフだったようで。サードとインタークーラーを天秤にかけたら、サーボだろうなあと思うけどねえ。ボンネットをいじってもうちょっと何とかならなかったのかなと思うけどねえ。

 下は試作機の内装。ちょっと日本仕様とちがうよねえ。コノリレザーと布の組み合わせも実はイギリス仕様にはあるだよねえ。ハーフレザーって何だろうって思ったけど。。。。実は、ハーフレザーの椅子は、一セット家に置いてある。。。

 あと、このハンドルは格好良いなあと思ったけど、実現されなかったねえ。こっちの方が断然格好良いけど。。。。

 1000CCのMINIと比較するのは可愛そうだと思うけど、やはり絶対性能には差があるということだ。

 でも、開発の逸話が見える車を持っているってちょっと良いよねえ。どうやって、ERA TURBOを開発してきたのか一端が見えて良かったと思う。

以上