デトミニのエンジンOHの詳細 その3(エンジン組み上げ)


12月01日2008年

 11/22の青梅アートフェスティバルの懐古自動車パレードに向けてデトミニのエンジンの組上げが行われていた。今回は、デトミニのエンジンの組上げの秘密に迫ろう。まあ、みんなと同じ事をやっても面白くないし、いろいろ見えないチューニングを施しているのでその一端を紹介しよう。でも、全部を公開しているわけではないので、これと同じ事をやっても私のデトミニと同じようにはならないからね。結局まねはまねでしかないので、後の補完は各自で考えてね。

 まず、リフター。左がデトミニに入っていた物。程度が良くてかじりなど無いので良い状態だった。しかし、今の最新の物と組み合わせるとオイル穴もないし、新しい物は30g台でデトミニに使われていた物は、40g台だ。10gでも、8個あれば800gだけど、この辺の積重ねが重要なんだそうだ。。。

 これは、4つのボルトで留められるオイルポンプ。まあ、新品のオイルポンプを交換するのは大切だけど、分かるMINI屋さんはそのまま利用しない。必ず一回ばらしてバリを取るそうだ。これはかなり、重要らしくって、レースやるところは基本中の基本なんだそうだ。ためし検索してみて!分かると思うよ。壊れないエンジンを作る鉄則だそうだ。

 軽量フライホイールもちゃんと加工する。これもレースからのフィードバックだ。純正にはここにオイル穴があるけど、このキットには穴が無いそうだ。ここは、ブローバイからのオイルの逃げに使うそうで、ここに穴を開けないとクラッチにオイルが貯まってしまうそうだ。

 デトミニもフライホイールは2種類用意した。左が、FAST ROAD用のホイールで、右の組上がっている方が、超軽量タイプのほうである。低速のトルクが落ちるのが心配で2種類用意したけど、フルバランス取っていればばらつきはなく、超軽量のフライホイールでかまわないね。低域のトルクが心配だったけど、吹け上がりがいいので、すぐに回転が付いてくるので全然心配がいらなかった。

 今回は、エンジン全体をフルバランス取ってもらった。普通はダイナミックバランスを取って終わりなんだけど、今回のエンジンは手間が掛かっている。ここのパーツでバランスを取っておいて、最後にダイナミックバランスを取っているのである。ここの部品を取っていて、凄く感心するし、ねじの入れ方すら指示があって、内燃機屋さんがやってバランスを再現できるようになっているのである。これはちょっと驚いたね。

 コンロットも軽量化した。200gまで出来るそうであるが、100g落としたそうである。たった100gだけど、トータルで400g何だけどかなり削っているそうだ。それで、ピストンを組み合わせて、1kgを切ることが出来た。

 ストラスト方向のクリアランスも調整する。今回は、0.04mmにシムを調整する。

 こちらは、クランクのバランスであるが、7gほど調整したそうである。結構狂っている物なんだと思ったけどね。

 こちらは、内燃機屋さんから上がってきた、デトミニのHead、ブロック周り。もちろん、効率的な冷却のためにトライデッキ加工をしてもらっている。また、Headは面研、ブロックは平行を出してもらっているために修正面研は実施してちゃんと密着するようにしている。また、バルブの摺り合わせももちろん実施済み。

 また、上がってきたエンジンは冷却ラインは重点的にチェックしてもらっている。ブロックの中は錆びだらけだった。左上はキャップを外したけど、キャップの部分に錆のふたされた状態になってしまった。これは、丁寧に錆を落として冷却水が直に触れるように洗浄を入念に行ってもらった。

 あらかた錆を綺麗に落とした所である。。。。

 内燃機屋さんは塗装なんかしてくれないのでエンジンの塗装に着手。やっぱり、1300CCは赤だよね。最初はゴールドはどうだろうっていったけど、Roverにゴールドはあるそうな。でも、リビルドエンジン色だけどいい??ってまじまじと言われてやっぱり赤にしてもらった。。。きゃんと、熱をかけて乾燥している!

 次がギアボックスである。なんか黒に中途半端に塗られていて、それがはげて非常に汚くていやなミッションだと思っていた。。。取りあえずばらしていく。

 ばらした部品を洗浄して、綺麗ブラストをかけると、ミッションは綺麗になる。特に塗装しているわけではない。。。

 そして、ミッションを組み上げるが、今回はJack Knightのドックミッションをしようと思ったけど、送ってこないので4速のストレートカットにしたが、メトロチャレンジというクロスレートのミッションであることが分かった。かなりレアものなものだそうだ。だた、街乗りに向いていないだろうと思ったので、オリジナルに付いているデトミニのミッションをOHすることにした。CopperSのクロスレート仕様なので、これは、これでおもしろいので良いかも知れない。ストレートカットのギアのうなり音は懸念していたので、心配が無くなったのはいい。ちなみにデトミニのミッションの仕様は、
1速3.32
2速2.09
3速1.35
4速1.00
Finalは3.647
 下は、今回利用しなかったメトロチャレンジのOH風景。ただ利用しなかった。

 デフは。4つで押さえるクロスピンデフとした。やっぱり、バリがあるのでばらしてバリ取りを行っていく。

 Finalはノーマルの3.6である。62/17とすれは答えが出るでしょう!やっぱり、イタリアンは加速が好きなんだね。まあ、最高速は犠牲になるけどね。

 組上がったのでデフをしまう。ねじ類は極力新品に交換した。

 シリンダーも乾燥したのいよいよ組み上げする。砂抜きのカバーを着けてドライデッキの水抜きを追加する。また、内壁は、オイルの落ちを早くするために砂落としを入念に行っている。また、メタルはオイルラインが上下にあるタイプでオイルが綺麗に回るように配慮している。

 いよいよ、クラントと、ピストンの取り付けを開始。

 各部をマニュアル見ながら規定値トルクで組み上げを行っていく。

 カムの組み上げを実施。カムのゴミが付いているので、オイル穴をちゃんと開けてオイルを回るようにしてする。また、リフト量もチェックする。今回はRallyカムのMD286なんで73度のカムである。2000rpmからパワーに乗るので扱いやすい。またものすごくスムーズなエンジンだった。タイミングチェーンもダブルタイプで、調整式にしたので正確なバルブタイミングをあわせる用にできる。

 いよいよ、両方が組上がったので、合体する。

 前のセミレストアで積み残しになっていたエンジンルームの処理を行う。ブローバイやブレーキフルードの影響で塗装が目茶々になっている。

 ロッソコルサでエンジンルームもきれいにする。

 上側も、前に処理したけど再度きれいにしていく。やっぱり、エンジンルームも綺麗な方がうれしい。

 今回は、エンジンの組下を中心に行った。入念はバランス取りと丁寧なバリ取りや砂落としを行って、壊れにくいエンジンを作っている。パワーを出すだけではなくトラブルフリーな努力がいろいろしてあるのである。

以上