BAIMO(バイモ)のエンジン内が錆びているのでOHを実施した。


5月05日2011年
 BAIMOのクランクとコンロットは錆びているという話はあった。まあ、2年前だし選別くらいしているだろうと思ったけど、どうせ信頼は置けないだろうと思っていたので、エンジン開けて再組み立てしてから自転車に乗せようと思っていた。あとからやっぱりねというのは、嫌だからだ。開けてみたら、下のようにクランクの弾み車は錆びだらけ、ピストンピンの片方は入っていないなど、酷い状態だった。やっぱり、みつさんに頼んで、バラして貰って正解だった。

 これが届いたバイモのエンジンである。思ったより小さいねえ。自転車の真ん中に入れるには、このサイズでないといろいろ問題があるだと後で分かった。エンジンの始動試験をしているって言ったけど、そんな痕跡は皆無だったねえ。。。

 とりあえず、状態を確認したかったので、ピストンの状態を確認する。ここで、あるべきピストンピンが一式しかなく、部品表から見ると2式が必要なので入っていないことが分かった。

 取りあえず下回りの補期類の取り外しに掛かる。これは標準で着いている6Vの発電機で、点火専用である。ドライブ側のギアは、標準の10歯を使っている。これは9枚と、11枚があり、ヒルクライムか高速用だそうだ。

 クラッチカバーを開ける。これを見ると分かるけど、マイナスネジが多用しておりこの点は、今後改善して持っている。また、元に戻せるようにマークも付けている。

 クラッチのベースになるギアは10kg程度のトルクで閉められており、空回りして外れないので、下記のような特殊工具を作って対応した。

 クラッチ板の取り外し自身は、M27の特殊工具をイギリスの部品屋さんが扱っていたので、購入した。これで、大物が外れてくれたので、クランクケースの殻割りが出来るようになった。必要なネジを外しておく。

 ベアリングが嵌っているので、プレス機を使ってベアリングは外して行く。これでやっと殻割り完了。出てきたクランクはやはり弾み車部分が錆びだらけ。。。。

 これがバイモのクランクの状態だ。。。本当に管理が悪くて、錆びだらけだ。。。油を塗っておければこんな事にはならないとのこと。

 クランクの状態を確認したいので弾み車を外していく。

 一応どんな感じでトルク掛かっていたか調べている。クランク周りは10kg程度でそれ以外は、2kgくらいだったそうだ。

 クランク周りにゴミが非常に多い。。。これにはあきれてしまった。。。エンジンかけて無くて良かったとこれを見て思ったねえ。。。

 ゴミとグリス滓が混じった物がいっぱい付着していた。ベアリングも回してみたけど、シールがない方はゴミが入ってしまい綺麗に回らなかった。

 錆の部分を削りつつ、左右の重さを合わせることにした。バランスは単気筒だし、あまり意味が無いだろうとと言うことでしなかった。
片方が、250gで両方で504gなので、あっていないよねえ。

 マイナスネジだと舐めてしまう事も多く十分なトルクが得られないため、6角ネジに交換することにした。しかし、ネジ頭が出てしまう。

 ここは削って、ちゃんと綺麗にネジが収まるようにした。。。。やっぱり、この加工はしてもらいたい。

 ネジの頭を合わせている様子は下記だ。

 一番トルクをかけたいドライブトレーン系ももちろん6角に変更する。

 吸気ポートと排気ポートの比較なんだけど、ノーマル品は、かなりつぼめて入れているだよねえ。この辺はミニと同じように同じ大きさにしたい所だ。。。

 先ほどの弾み車は、245gまで削って左右の重さを合わせた。

 これは、洗浄したクラントと削った弾みぐる周りだ。やっぱり、これが本来の姿だよねえ。。。。さびも一掃できた。

 これができあがりだ。

 これで、全ての準備が終わったので組み上げていく。ベアリングは、バイモの物を使わなくて、同じサイズの日本製に交換した。プレス機ではめていく。

 一応、魔法の粉と言っていたけど、マイクロロンのペーストを要所要所に塗っておく。MINIのレースカーにもこれを使うのが定番なんだそうだ。

 また、クラッチも組み上げていく。。。。ここは同じように特殊工具を使って10kgで閉めていく。

 これで、下回りの組み上げが完了した。

 錆を落として綺麗になった下回り。。。やはり、美しい。こうでなくてはいけないよねえ。

 ガスケットをあわせているうちに上のシリンダーとの穴とあわない点が見つかった。このへんの突起削ってなるだけ効率的に吸排気出来るようにしたいねえと言うことで出っ張り部分を削ることになった。組み上げてからから気が付いたので、削り粉が入らないように慎重な作業が必要な点だ。

 上のシリンダーとの効率を考えて広げたポートが下記だ。MINIでもそうだけどメカチューンの基本は、段差取りだからねえ。

 ピストンの組み上げを実施する。もちろん、ピストンピンは2カ所止めに変える。これに気が付いて良かったよ。そのままやっていたら、シリンダーが確実に傷ついていただろうねえ。もちろんマイクロロンのペーストを塗っておく。

 シリンダーの吸排気に実はバリがあってこれも妨げになるので、綺麗に削ってある。まあ、この辺の仕上げの粗さは中華エンジンなんだろうねえ。やるべき処理をして、遂にシリンダーを載せた。マイクロロン アセンブリー ルプリカント 組立用グリースってやつなんだよねえ。塗っておくのとおかないので、全然違うそうだ。

 ヘッドももちろん取り付け。Rebuildキットと元に着いていた物でヘッドガスケットの厚みがつがう事が分かった。リビルドキットのほうが薄のである。もちろん、圧縮比は上げたいので薄のでよろしくとお願いした。調子がおかしいようなら、簡単に交換できる部分なので、ここは、パワー優先にしたいよねえ。

 これが完成系のエンジンだ。マイナスネジが一掃されているのがわかるかなあ???

 2ストエンジンって本当に構造が簡単なんだねえ。調整が必要な部分がないので、思ったより単純なんだと思ったけど、そんな中でもいろいろな不具合があったので、みつさんにエンジンのOHを依頼したのは正解だったことが分かった良かったよ。

以上