APEX AD-703


 5月16日2001年
 高性能なRAITEではあるのだけど、VCD,SVCDの再生性能がちょっと今一歩なのが気に入らなかった。いままでは、RAITE中心に使っていたから気づかなかったのであるけれど、ポータブルのDVD960はかなり高いレートの規格外VCDが再生できてしまうのに驚愕しまった。先週にマシン2台を二日間つぶして(1台は本当にメモリーが逝ってしまった)、音楽のビデオクリップのDVDをVCDへ変換したけど、2PASSのVBRで2300KBPSくらいでエンコードしているのに、RAITEで再生してみるとたまに音とびしてしまったのでがっかりしてしまった。また、再エンコードして画質も落としたくもないし時間ももったいない。そこで、レートの高いVCDを再生してくれてFW書換えをサポートして、Region Freeになるプレーヤがないかなと探してしまった。やっぱり、ポータブルで再生結果のよかったShinco製のプレーヤが候補になるけど、結構クローンもあるので悩ましかった。最終的にメガドライブ内蔵のDVD-868か3DISC対応のAD-703のどちらかにしようと思った。でもゲームはやらないし、やらないとしてもFULLスペックで使いたいと思うので、ゲームをするためにPAL->NTSCコンバータを買ってしまいそうなので、結構高くつくDVD-868はやめてしまった。3枚のDISCをチェンジできるAPEXのAD-703を購入してしまった。上のプレーヤが今回購入したAPEXのAD-703である。3DISCチェンジャタイプで、DVD/VCS/SVCD/MP3/CDが再生可能である。

 FWを変更するためにどのチップセットを利用しているか調べる必要があり開けてみた。RAITEと違って、標準のDVD-ROMドライブを利用しているわけではなく、DVDのデコーダーにドライブ機能を内蔵しているようだ。


使い勝手
 AD703は結構本体内にSWがあるのだけど、肝心SWが本体にアサインされていないのでちょっと使いにくい。こっちのDVDは最初にメニュー画面が表示されるものが多いのだけど、肝心の選択SWがアサインされていないから、メニュー選択の移動ができない。台湾DVDは10話くらい入っているので、途中の話から見たいことが多いので、Chapter選択を選びたいことは多いと思うけど、本体SWだけで選択できない。ジョグダイアルにてっきりアサインされていると思ったけどだめだった。RAITEは本体で全部選択できるので最低限のことは本体で完結できるけど、こいつはリモコンと組み合さないととうまくいかない。RAITEだと最新FWだとリジュームが利くのだけど、こいつは電源をOFFしてしまうとだめなのがさらに使い勝手を悪くしていると思う。また、リモコンからTrayのOPENと電源のON/OFFができないものちょっと気になるかな。しかし、MP3で使って気づいたのであるが、MP3再生時のディレクトリ渡りを含めた全体の操作はフロントパネルでできるように工夫さていることはわかった。この辺の心配りをDVDに対しても行ってくれればよかったのであるが。。。。。基本的なレイアウトは一般のSWにディスクチェンジャ選択とカラオケ関連の機能が入ったのが大きな違いかな。このため、操作系はちょっと中途半端なイメージを持ってしまった。

DVDの選択画面は、再生ソフトに依存するので、MP3の操作法を示そう。通常のPLAYERと同じように画面に情報が載る。最初にディレクトリ構造の画面が表示される。ディレクトリ構造を示している。ここで、演奏したいディレクトリを選択して、PLAYボタンを押せば、そのディレクトリが選択される。また、この時点で、認識しているトータル曲数が表示されている。

左上がDR4を選択したときのFilename表示であり7文字表示してくれる。SPACEはうまく表示できないようだ。また、漢字も表示できない。しかし、漢字を使っても認識はできるようで演奏は行なえる。リピートは、1曲リピート、Disc全体のリピートと、3枚のDISC間の大域リピートの3種類がある。下に選択したときの各モードを示しておく。RAITEの最新FWでは、MP3でもシャッフルが使えたのであるが、こいつにはちょっと無かったのは残念だ。しかし、VCD再生時にはシャッフルが使える。また、リモコンで曲数を直接打込むとダイレクトに飛んでいく。表示であるが、ソートの方法がちょっと変わっているが、それなりの曲数が表示できるのはありがたい。RAITEのように画面を切り替えられるとうれしかったがその機能は無いようだ。


CD−ROMの認識
 CD-R,CD-RWでテストしたが、CD-R、CD-RWともに認識してくれた。CD-Rのテストに99分(800MB)のメディアを使ってみた。下にNEROで焼いたデータを示しておく。トータル容量が830Mbになっているが、メガバイト表記なら793MBになり、214曲入った。

 さて認識であるがこいつはうまく99分のメディアを認識してくれる。最初は214曲をイントロの感じで演奏させて、最後の方の曲は全部流して見たが、何の問題もなく演奏できた。下は206曲目を演奏してみたところ。このディレクトリの曲は全部鳴らして見たけど、すべて問題なく演奏できた。さすがにDVDのメディアを読むだけのことはある。
 

マルチセッションDISKの認識
 また、下記のデータで焼いてみた。ROOTとDR1からDR4まではシングルで焼いて、追加でDR5を焼いた。

残念ながら、セカンドセッションのDR5は現れてこない。RAITEなんかは普通のDVD-ROMドライブを使っているおかげで、マルチセッションに対応しているのでちょっと不満が残る。


DVD再生能力
 APEXはLOOPHOLEメニューがあることで一世風靡したのであるが、最近のバージョンではそれができないようになってしまった。そうなると当初の話はどうなるのということになるのであるが、NETでPatch版のFirmwareがリリースされていてFlashすることによって、LOOPHOLEメニューを出すことができるようになるのである。

例によってBYPASSに設定することによって、Region Free化することができる。

US版のリージョン1でも、日本のリージョン2でも問題なく再生してしまうのである。リージョン2(日本版)のRYVUS liteのメニュー画面。これは、直接AD-703のビデオ出力をATIからキャプチャしたもので、大体の画質が分るであろう。

 これがリージョン1のUS版CCさくらの第一話のメニューである。

 これも日本では手に入らないだろうから選んだ。これ以外にも、PCM音源をつかっている”くるみ”やDVD Single版の”くるみ”、Strange Dawn、US版のCowBoy Bepopを再生してみたけど特に問題もなく再生できた。DVD960で再生できなかった”私をスキーをつれって”も問題なく再生できた。久しぶりに見てしまったけど、BLIZZARDから始まる志賀ー>万座のツアーコースの難所越えの話はいつ見てもいいよな。最初はちょっとした確認でつもりだったんだけど、結局全部見てしまった。レビューが遅くなるのは確認と思ってちょっと見たり、聞き入ったりして、結局全部見てしまうからなんだけど。。。。。。
 コロンビア系の映画で採用された新プロテクトである”Regional Code Enhancement (RCE) protection"が自動再生できるのであろうか?RAITEの最新FWでは、対応できているが、台湾系のBYPASS系のリージョンフリー機の機能を見破って起動させてくれない嫌なやつである。最近では下のPATRIOTが有名である。

 残念ながら、BYPASSにすると、下の感じの絵が出てしまった。REGION1固定機でしか許さないなんてメッセージを出して起動しないである。

しかし、手動で、Region1にしておけば問題なく再生できるので、このメッセージが出たら素直にSetupを操作して、リージョンを変更すればいいので、そんなに手間ではない。

MP3再生能力
 さて、再生基本性能であるが、けっこう良かった。基本性能が分らなかったので、ちょっと調べてみたが、実用上まずまずであると思う。今回も曲のデータには谷山浩子のカントリーガールを使ってみた。基本的な128KBPSは問題ないので、192kbbps、224,256,320KBPSの転送レートとサンプリングレート22K,32K,48Kも試してみた。エンコーダーは、午後のコーダとM3EとM3SEを利用している。
000-GOGO-64-128V-CG.mp3 3,933,137 00-07-22 9:13
001-GOGO-128-320V-CG.mp3 8,769,163 00-07-22 9:16
002-GOGO-192-CG.mp3 5,940,040 00-09-18 22:44
003-GOGO-224-CG.mp3 6,930,186 00-09-18 22:39
004-GOGO-256-CG.mp3 7,920,331 00-07-22 9:11
005-GOGO-320-CG.mp3 9,900,537 00-07-22 9:10
010-M3E-192-CG.mp3 5,941,794 00-09-18 22:48
011-M3E-224-CG.mp3 6,932,252 00-09-18 22:46
012-M3E-256-CG.mp3 7,922,712 00-07-22 9:26
013-M3E-320J-CG.mp3 9,903,545 00-07-22 9:19
014-M3E-128LV4(204kbbs)-CG.mp3 6,226,986 00-09-18 22:50
015-M3E-128LV5(250kbbps)-CG.mp3 7,715,310 00-09-18 22:49
020 M3SE-160-CG.MP3 4,4951353 01-01-13 15:40
021 M3SE-192-CG.MP3 5,941,117 01-01-13 15:45
100-Elha_OP2-48K.mp3 4,305,152 99-03-01 4:01
200-Feeling Heart(Shiho Ver)32K.mp3 2,083,700 00-01-05 20:05
300-For The Moons Prayer-22K.mp3 2,000,219 00-03-02 11:45000-GOGO-64-128V-CG.mp3 3,933,137 00-07-22 9:13
 なぜが、021のM3SEのCBR192KBPでバックで鳥がさえずるような音がするのである。同じレートの010のM3Eでは問題ないのあるが?あとは300番の22KHzのサンプリングレートの曲は、まともに再生できなかった。ちょっとエンコーダの種類によっては相性問題が出そうな気がする。午後とM3Eでは問題ないので自分としては困っていない。それと、カラオケ機能があるため、VCDとMP3では、音程を進めたり遅らせたりすることができるのはちょっと面白かった。なお、DVDでは音程変更できない。また、デジタル出力に対応しているのでAVアンプにそのままアナログ経由ではなく同軸ケーブルではあるが、デジタル転送することができるのはうれしい。音は、アンプの構成でかなり変わってしまうのであまりコメントできないが、気になるノイズなどは皆無である。なお、このマシンに光出力はでていない。

VCD機能
 本命のVCD機能であるが、やっぱり性能がいい。規格外の720X480の再生も音とびも無く再生してくれるし、RAITEで飛んでしまっていた2300KBPSのVCDも素直に再生してくれている。画質であるのだけど、ある程度のビットレートまで上げていくとそんなに変わらない無いと思うのだよね。720X480みたいなものが良いかと言うと、レート不足からくるブロックノイズが避けられないので、映像ソースの状態に依存してしまうのでる。
 今回はソースにUS版のGazarakiのオープニングを使って試してみた。オープニングって作品の顔みたいなものだから、早い展開とスクロールがあるので、完全に再生するには結構骨が折れるものである。今回は、下記のデータで再生してみた。

352X240で再生した場合にはスムーズなスクロールとブロックノイズの無い見やすい絵作りをしている。720X480で再生した場合には、シャープな絵作りであるが、スクロールがちょっとカクカクした漢字でスムーズさに若干かけるような絵が出る。また、炎の揺らめきで盛大なフロックノイズが出てしまった。また、720x578の場合には、ちょっと上下につぶれた感じの絵になったしまった。4:3の割合が崩れてしまったからだろう。よく、注目してみれば解像度やビットレートの差で画質は変わるけど、その差異はそんなに大きくない。十分なビットレートが供給されている352X240ならば、サイズとの関係は2300KBPSで十分のような気がする。720X480は2800KBPSでも十分ではないそうであり、盛大にブロックノイズがでるためビットレートをあげればいいのであるが、どこまでいけるのか試していなかった。しかし、4000KBPSくらいあげると、MPEG2のFileサイズと等価になってしまうのでエンコードし直すメリットが無いと思う。

 縮小してしまったのでわかりにくいけど、352X240と720X480の画質の差である。文字の部分が352X240では若干”もわ”としている。解像度をあげれば、シャープな画面を得ることができる。画面切り替えが多くない場合には、大きな解像度でエンコードするメリットはあると思う。しかし、スクロールするシーンや細かいきらめきの場面でちょっと満足できないであろう。

炎のグラデーションが720X480ではブロックノイズが大量にでて、再現できていない。

TVで見る限り、Fileサイズとの兼ね合いで見る限り、352X240で2300KBPSくらいがいいのかなという気がする。AD-703には独立したダイジェストSWがあり、ディスクの内容を表示できることができる。これって、動かし見るとわかるのだけど、結構見ていて楽しい機能なんだよね。


タイトル画面変更

本変更は、HW改造を含みます。この変更によってベンダーからの保証はなくなったり、変更方法によっては本体の起動不能になることもありますので、各個人の判断で実践してください。

Shincoのサイトを覗いたときに、スタート画面を変更する方法について解説してあったので試してみた。RAITEでも変えられるけど、自分だけの一台となってくれる楽しい機能で結構気に入っている機能である。標準では、電源を入れると下記のメッセージが表示される。

今回は下記のようなメニューへ変更してみた。結構いい感じでしょう?

RAITEのようにTOOLが用意されているのではなくアルゴリズムが解説されているのである。やり方は、

  1. 704X480のフルカラーのBMP Fileを用意する。私は、RAITEと共通にしたかったので704X576でやってみたけどうまくいった。
  2. MKLOGOでBMPファイルをMPG2の静止画面へ変換
  3. c2binによってBinaryFileへ変換。なんか、2.3って聞いたことあるんだけど。。。。
  4. AD703のFirmwareの中に"000001B32C","000001B700"のパターンのデータをBinaryエディターでサーチして、開始アドレス、終了アドレスとして調査する。その間のデータが元の表示データなので、この部分に自分の好みのデータをオーバーライトしてやれば、好みの壁紙として変更できるのである。このため、サイズが重要でMKLOGOの圧縮率を調整して元のサイズを超えないように色やサイズを調整のこと。AD703はRAITEよりも大きなデータ領域を確保してくれて上のような複雑な絵でも張れた。RAITEで使おうと思ったのだけど、サイズが大きくなりすぎてあきらめていたんだよね。
  5. データを入れえたFirmwareをFlashしていて終わり。これで壁紙が変えられる。

これ見ているとRAITEとほとんど同じのような気がして、RAITEのデータ構造も調べてみた。同じパターンの開始、終了TAGだったので、RAITEでもやり方はおなじである。Firmwareをいじるのでちょっと怖いよね。RAITEではY-TOOLていうのがあって、プログラムが開始とサイズを調べて、絵の部分を入替えてくれる。このプログラムがそのまま使えたから、一時的にFilenameをBANK30.ROMに変えて、Y-TOOLでやったほうがいいだろう。下記にあるから、参考にして。
http://www.csh.rit.edu/%7Eeriky/raite/picture.html

FWアップデート
本変更は、HW改造を含みます。この変更によってベンダーからの保証はなくなったり、変更方法によっては本体の起動不能になることもありますので、各個人の判断で実践してください。

ApexはRAITEと同じようにCDからFWの書き換えが可能である。でも、書きかけ方法はベンダよって違ってくる。RAITEはAPASSというFileをいじればいいので簡単であるが、AD-703ではプログラムによって各機器別のFileを作成して、それをCDに焼く方法をとっている。

  1. 事前に中の開けて、ビデオエンコードチップが、BT865かCS4955か確認しておく。
  2. FwとShinco CD-Upgrade Generatorは、Shincho infoのサイトからもらってくる。エンコードチップにあった標準FWとPatch版があるので、好きなほうをもってくればいいだろう。これを間違えるとROMライタで焼かないと直せないので厄介である。しかもROMは直半田してあるからね。
  3. ダウンロードしたFWをCDアップグレードジネレータで、AD-703が理解できる形にする。好きなディレクトリを作成してプログラムを解凍してついでにFWを同じディレクトリに置いておく。DOS窓で、プログラムを起動し、マシンコードを聞かれるからいれてやる。
  4. Shinco DVD infoに載っているいるが、AD703なら"3E"らしいのでこれを入れると、”POIUYTRE.ASD”が出力される。
  5. この"POIUYTRE.ASD"をCD-R/RWに焼けばいいのである。私はもったいないので、RWでやってしまった。このとき、NEROを使ったが使うモードはISO9660 Mode 1 (Mode2 seems to work as well, but don't use the Joliet format!)だそうである。私は規定値でJolietがONになっていたので、AD703がFlashディスクを認識しなくてちょっとはまってしまった。
  6. ちゃんとしたFlashデータCDができれば、そのCDをAD703へ入れれば下記の画面が出るであろう。マシンコードが間違っていると左の画面は出ないのでよく検討するように。



参考になったサイト(感謝です)
http://shincodvd.emuunlim.com/

総評
 RAITEも入手が困難になるので、今後のやつがほしいなあという希望は果たせたかな。RAITEの最新FWと比べるとちょっと物足りない点は無いとはいえないけど、リージョンFreeでDVDからデータ引っ張り出してVCDを見たいっていう人にはいいマシンだね。さすがshincoのクローンだけあってVCDの再生のできはいいね。MP3も同軸ケーブル経由であるが、SPF/IFからでているのでAVアンプに簡単に通せるからね。それと、書かなかったのだけど。これカラオケ機能付なんだよね。MP3とVCDで音程が変更できるのはちょっとたまげてしまった。カラオケ機能ってただのマイクのミキシングだけなのかと侮ってしまっていた。また、3discって本当に便利だ。朝なんか編集PVのVCDをかけてたりしていたけど、そのCD入れっぱなしにして置けるだから。普段は残り2枚で好きなDVDを見ていて、朝はリモコンで切り替えていけば、かならず聞けるのでこれはちょっとうれしい誤算だった。まあ、シングルトレイではできない醍醐味だね。私的にはちょっとうれしい買い物でしたね。

買い方
 AD-703の買い方であるが、私はCircuit Cityで$179で買った。YahooのSHOPでも引っかかるし、CANADAの会社でも出しているので、RAITEと違ってUSでも日本でも比較的簡単に手に入るのではないだろうか?それと、AD-703aというのもあるから気をつけてね。”A"はShincoクローンではないからね。MP3の再生機能も無いらしいから、AD-703Aのがいいだろうと勘違いしないでほしい。